絶対にダメなアイロンの使い方
【結論からいいます】
髪に水分が残った状態でアイロンをする
以下、詳しく解説します。
髪に水分が多く残っている状態でアイロンをかけると、
“毛髪内部で水蒸気爆発(バブル)”が起こり、
キューティクルやコルテックスが破壊されるためです。
これが「熱変性」や「ビビリ毛」「タンパク変性」の原因になります。
【毛髪構造の基礎知識】
まず、髪の構造を簡単に整理します。
キューティクル・・・髪の最外層。魚のウロコ状の保護膜。ダメージに弱い。
コルテックス・・・髪の80~90%を占める繊維質。タンパク質・水分・脂質を含む。
メデュラ・・・髪の中心部にある空洞(細い毛には存在しない場合も)
髪の主成分は「ケラチンタンパク質(約80~85%)」、
残りが「水分(12〜15%)」と「脂質」などで構成されています。
【水が残ったままのアイロン=内部の水分が急激に膨張】
髪内部に水が残ったまま、180℃前後の高温アイロンを当てると、
水分が一瞬で蒸発しようとする
閉じた毛髪内部で蒸気が膨張し、逃げ場がない
内部で“バブル(泡)”が発生=水蒸気爆発
その圧力でコルテックスやキューティクルが物理的に破壊される
よく言われる、ビビり毛は、
この原因絵起こることがおおいです。
この現象を、バブルバースト現象 と呼びます。
目に見えない内部の破壊ですが、
髪の弾力や強度が著しく失われ、
結果として以下のような
“取り返しのつかないダメージ”になります。
水分が残ったままのアイロンで起こるダメージ症状
・ビビリ毛(チリチリした硬い毛) タンパク質の熱変性 + バブルバースト
・ツヤ消失・パサつき キューティクルの剥離や変形
・髪のゴワつき・硬化 ケラチンが変性して構造が硬直化
・枝毛・切れ毛 水分膨張による断裂や繊維破壊
【タンパク質の熱変性=生卵がゆで卵になるような現象】
髪の主成分であるケラチンタンパク質は、
熱に弱く、60〜70℃を超えると「変性」が始まります。
特に180℃を超えるようなアイロン熱では、
水分があることで
「水熱反応」が強まり、より激しい変性が起きやすくなります。
これにより、髪は弾力や柔軟性を失い、
硬く、折れやすくなります。
適切なアイロン前の水分量=“ほぼ乾いている”
とされていますが、
ご自宅で、ヘアアイロンをされる場合は、
100%髪が乾いた状態でのご使用を、
アイロンで傷んだ髪を見てきた、現場ぼ美容師としては、
お願いしております。
▶理想的な水分状態は?
髪の内部が100%乾いている状態
キューティクルが開かず、保護されている状態
アイロン熱が穏やかに入りやすく、形状変化がコントロールできる
この状態であれば、熱変性のリスクを最小限に抑得ることができます。
ゼロではありません。
くせをしっかり伸ばし、
髪をツヤやかに整えることがある程度可能になります。
【ちょっと番外編】
縮毛矯正時、美容師が注意すべきアイロンのチェックポイント
ドライが不十分なままアイロンに入らない
→ 特に根元の内側は乾きにくいので要注意。
水分が多いとジュッという音がする → 危険サイン
→ 蒸気音=バブルの兆候。即ストップ。
髪質によって乾かし方を変える
→ 細毛・軟毛・ダメージ毛は「完全乾燥」に近づけること。
アイロン温度をコントロール
→ 髪の状態に応じて130~160℃程度まで落とすケースもある。
→縮毛矯正前のアイロンの温度チェックも大事。
【まとめ】
・なぜ水分があると傷む?のか・・・
髪内部で水蒸気爆発(バブルバースト)による破壊が起こるため
・主なダメージ内容
ビビリ毛、キューティクル破壊、タンパク質変性、枝毛など
・科学的な原因
水分の急激な蒸発による内部膨張、熱によるタンパク質変性
・対処法
アイロン前にしっかり乾かす、温度調整、髪質に合わせた施術管理
【最後に】
縮毛矯正で最も多い失敗の一つが、
この「水分残留+高温アイロン」によるダメージです。
ビビり毛といわれる現象お、ほぼこのパターンで起こります。
経験豊富な美容師であれば、
この微妙な水分状態を触感や温度、反応で判断できます。
浜松市のサロンドグリーンでは、
髪の水分バランスを見極めながら、
アイロンの操作・圧・温度を細かく調整することで、
髪を傷めずに美しくストレートに仕上げます。
サロンドグリーンの縮毛矯正
「なぜ乾かしただけでまとまるのか?」
その高度の縮毛矯正の技術と仕上がり
それは、この水分・熱・技術の精密なコントロールを
しながらのアイロン操作も理由の1つです。